傾聴は「話を聞くだけ」じゃない! 傾聴の心構えとは

今月と来月の「お話聴きますカフェ」

お話聴きますカフェは原則月2回、中島れんばいふれあいセンターさんの「会議室D」で10時~16開催です。詳しくはこちら。

  • 今月(10月):12日(土)、26日(土)
  • 来月(11月):9日(土)、30日(土)※第五土曜日

悠遊寛緩では「お話聴きますカフェ」という傾聴サービスを提供するカフェイベントを行っておりますが、皆さまは「傾聴」にどのようなイメージをお持ちでしょうか。

  • 話を聞くだけ?
  • 適当に相槌を打っていればいい?
  • 誰にでもできる?

これらは全て誤解です。「傾聴」とはただ聞くだけの活動ではありません。

相手に気持ちよく話していただくために

ところで皆さまは、日常生活で人に話を「聴いて」もらっていますか?

雑談の場合、言葉のキャッチボールになってしまい、思う存分話せないこともあるのではないでしょうか。

人に悩み相談をしたときも、相手が的外れな質問を繰り返してきて、それに答えているうちに「話したかったこと」がどこかに行ってしまい、モヤモヤしたまま相談を終えることがありませんか?

または、相手は聞いてはくれているけれど、いかにも自分に反感を抱いていそうで話し続けることができなかった……という事例もあるかもしれませんね。

傾聴では、そのようなことが無いように、以下のようなポイントに気を遣っています。

  • 興味を持って聴いていることが伝わる相槌、表情、態度
  • 相手が話したいことを話せるよう、相手の話したいことが何なのかを見極めながら聴く
  • 相手が疎外感や不快感を感じないよう、相手の心を受け止める

興味を持っていることを伝えるには

傾聴では相手に興味を持って話を聴かせていただきます。

  • どうしてその話をしたいのかな?
  • どんなことを思ったのかな?
  • この話にはほかにどんなエピソードがあるのだろう?

このように興味を示していることを伝えるための工夫のひとつが、相槌や表情です。

  • 相手のほうを見て微笑む
  • 頷く、相槌を入れる
  • 相手の話を引き出すための促しや質問をする

ただ無言で聞き役に徹しているだけでは、相手は壁に話しているようなものです。

いえ、もしかしたら壁のほうがマシかもしれません。適当な相槌を打ちながら右から左に聞き流していそうな相手に、真剣に話し続けるのは難しいですよね。

傾聴は「相手の心」を聴かせていただく

また傾聴独特の心構えとして、「『相手の心』を聴く」というものがあります。

傾聴において大切なのは、相手の話を正確に理解することではなく、相手の言葉尻や些細な表現を厳密に理解することでもないのです。

相手の話の状況が正確には伝わってこなくても、相手の言葉の表現がわかりづらくても、相手が思っている「心」はなんとなく伝わってくるものです。

「話の内容を正しく理解しなければ」「表現がわかりづらかったから正確に確認しなければ」……傾聴の心構えを忘れて話を聞いていると、このようなことを思ってしまって、話している人を質問責めにしてしまいがちです。ですが、それは聞き手の興味本位の質問です。

もちろん、相手の言うことを正確に理解できれば理想的なのですが、相手が話したいのは物事の正確な状況なのでしょうか? それよりも、その物事に対して自分がどう感じたか、どう考えたかを話したいのではないでしょうか。

相手が一番話したいことを話してもらうために、自分の興味本位の質問はしない。それが傾聴の心構えのひとつです。

相手の心を受け止める

日常会話では、相手の心を話されたときに「いや、自分はそうは思わない」と反発してしまったり、自分に理解のできない思いだと「そんなことを言うのはおかしい」と相手を責めてしまったりしますよね。

ですが、そんなことを言われると相手は話す気が失せてしまいます。人は「相手に受け入れられている」と思えなければ、自分の正直な思いを話せないものです。

そのため、傾聴では「相手の心を受け止める」ように心がけています。

傾聴では「相手の話にできるだけ共感する」とも言うのですが、この「共感」はかなり誤解を生みやすい表現だと思っています。「相手の思いに同調する」かのように見えてしまいますよね。そうではなく、あくまで相手の心を受け止めるのです。

「腹が立ったんだよ」と言われたとき、「わかる、私も腹立つ」ではなく、「そうなんですね、腹が立ってしまったんですね」と相手の心を認めて受け止めます。

「あんなやつ殺してやりたいと思った」と言われたときも、共感しなければと思えば難しいかもしれませんが、相手の心を受け止めるんだと思えば「殺してしまいたいくらい腹が立ったんですね」と受け止められるのです。

「聴かせていただく」という姿勢

最後に、一番大切なことについてです。

傾聴をするときは「話を聴かせていただく」という姿勢で取り組むようにしています。

「聞いてあげている」という気持ちで接していると、態度が表に出ます。「聞いてあげている」という態度が見え見えの人に、気持ちよく話すのは難しいですよね。

相手に興味を持ち、話したいことを充分に話していただき、聴かせていただく。それが傾聴というものです。

ただ聞き役に徹するのとはずいぶん違うことが、少しでも伝わっていたら嬉しいです。

話し足りないモヤモヤの解消はお話聴きますカフェへ!

悠遊寛緩の「お話聴きますカフェ」では、参加費500円をいただきますが、飲み物を1杯ご提供してお話を聴かせていただきます。

どのようなお話でもこのような心構えで聴かせていただきますので、ぜひ一度足を運んでいただけたら嬉しいです。

次回は8月22日(土)開催です! 詳しい告知はこちらをご覧くださいませ。

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